センナ・メリディオナリス(Senna meridionalis)は、
マダガスカル原産のマメ科の塊根植物で
独特なフォルムと盆栽的な魅力から、とても人気があります。
そして種子から育てる(実生)場合、知っておくべきポイントがいくつもあります。
本記事では初心者の方でも分かりやすいように
種まきから発芽後の育て方までを完全解説します。
ぜひ参考にしてみてください!
準備するもの
100均、ホームセンターで揃うので探してみてください!
センナの種の蒔き方
種まきの時期
センナ・メリディオナリスの発芽には20〜25℃程度の環境が必要です。
気温が低いと発芽率が下がるため
日本では春から夏にかけて(最低気温が20℃を下回らない時期)が最適です!
もし加温できる環境があれば、秋〜冬の種まきも可能ですが、温度管理には注意しましょう。

ヒーターマットを使ったら2月下旬でも発芽しました!
土と鉢の準備
発芽に必要な土は通気性と保水力が高い用土がおすすめです。

僕はこの土を使ってます!
硬質赤玉がベースに、桐生砂、ひゅうが土が配合されています。
他の実生も全てこの土でしっかり発芽しています!
もし自分で配合する場合は以下の組み合わせが良いです!
細粒の赤玉土2:鹿沼土1:軽石1
正直、発芽させるだけであれば土はなんでも良いですが
発芽後のことを考えて
赤玉土や鹿沼土などを混ぜて通気性と保水力のバランスを整えておきましょう。
鉢は小さめのポリポットでも問題ないですが
発芽後に根が伸びやすいようやや深めのものを選ぶと管理がしやすいです。
鞘殻を取り除く
もし鞘殻がついていたら取り除く必要があります。

付いてなかったらそのまま植えてOKです!
↓鞘殻つき

↓鞘殻なし

ギリ指で外せるくらいの硬さですがカッターを使うと簡単にはずせます!
写真右上の種は鞘殻の中で割れていました。
これも試しに植えてみましたが、発芽しませんでした。
植え方
ベンレート+メネデール溶液に浸す
種を12〜24時間浸けることで、カビの予防・発芽促進に役立ちます。
輸入種など古い種の場合は特にカビが発生しやすいので、しっかり浸しておくと安心です。
※ベーレートではなくダコニールでもOKです
ダコニール:カビの予防
ベンレート:カビの予防・殺菌(カビ発生後にも使用可)

種を扱う際は消毒
手指やピンセットをアルコールなどで消毒しておくことで
カビや病原菌の発生リスクを下げられます。
好光性種子なので覆土しない
センナ・メリディオナリスは好光性種子のため
土の上に種を置くだけでOKです。
1.5〜2cmほど間隔を空けて、種の細くなっている部分(根が出る側)を
下に向けてあげると根が潜りやすくなります。
キッチンペーパー方式も可
キッチンペーパーに種を置き、発芽したら順次土に移す方法もあります。
最初から用土に置くと、未発芽やカビた種の除去でスペースが空いてしまいますが
発芽したものから土に置いていけば土上のスペースが空かないです!
でも大量にまく場合はペーパー交換が手間になるため、最初から土にまく方がラクです!

なかなか発芽しない場合の対処
種の先端を少しだけ削ったり切り込みを入れると
水分を取り込みやすくなり発芽が促進されることがあります。
ただし種を傷つけすぎないように注意しましょう。

1mmくらい削れば十分です!


僕が植えた時もなかなか発芽せず、試しに削ってみたら1〜2日で発芽しました!
センナ実生発芽までの管理方法
水やり
発芽前後は土が乾燥しないように腰水で管理します。
バットなどに水を溜め、その上に鉢を置いて吸水させます。
発芽に必要な環境
- 温度
25℃以上を保つと発芽率が高まります。
最低でも20℃を下回らないようにしましょう。 - 光
好光性種子ですが、直射日光が当たらない明るい場所が適しています。
半日陰からスタートするのがおすすめです。 - 湿度
カビ防止のためにも密閉せずに
ラップに大きめの穴をあけて通気を確保したり、こまめに霧吹きで保湿すると良いです。
センナ発芽後の管理

発芽したら
発芽したら根が土にうまく潜り込めているかを確認します。
根が表面に出てしまっている場合は
根を傷つけないように軽く土をかけてあげるか、そっと埋め直します。
発芽直後は力がありません
発芽直後の苗はまだ体力がなく、乾燥や強い光に弱い状態です。
腰水管理を継続し、土が常に乾かないようにしましょう。
はじめは明るい日陰で育て、本葉が出始めた頃から徐々に日光に当てる時間を増やしてあげます。
水やりと肥料
- 水やり
発芽後も、苗がまだ小さいうちは腰水をメインにしつつ
土の表面が乾いてきたら霧吹きなどで表面を湿らせる程度でOKです。 - 肥料
発芽直後は肥料は控えめで十分です。
根がある程度成長してきた段階(本葉が数枚出てから)で
2週間に1回程度メネデールなどの液肥を与えると生長をサポートできます!
センナ実生の植え替え時期と方法
植え替えのタイミング
1年目は根の成長がはやい一方で、苗自体の体力はまだ十分ではありません。
できるだけ植え替えによるストレスを与えないように、1年目は植え替えを控えるのが理想です。
ただし成長が早かったり明らかに根が窮屈になっている場合は
慎重に植え替えを行います。
植え替え手順
- 苗を傷つけないように掘り上げる
土ごとすくい上げ、根に負担がかからないように注意しましょう! - 新しい鉢と用土を準備
底が深めの鉢に、赤玉土・鹿沼土・軽石などを混ぜた清潔な用土を入れます。 - 苗を安定させる
根を広げながら優しく植え付けます。
最後に軽く水を与えて落ち着かせましょう。
こんな個体でも大丈夫?
ある日発芽したセンナを観察してたところ
ひとつだけ茎が分裂している状態で発芽した個体が見つかりました。

分裂した茎の先にそれぞれ双葉が付いてますね。
これでも育つのか不安でしたが
双葉の片方が取れても育つと聞いたことがあったので
大事に育てた結果...
しっかり成長してます!

1ヶ月経って、他の個体よりは成長が遅いですが
元気に葉を展開しています!

センナ実生のQ&A
Q:光の加減が分かりません
双葉〜本葉が数枚出てきたタイミングで、少しずつ強光に慣らしましょう。
最初は朝日などの弱い光から始め、徐々に日中の強い光に当てられるようにすると
葉焼けや乾燥を防げます。
育成ライトを使用する場合は10000〜20000ルクスまで慣らすと良いです。
Q:カビが生えてしまいました
まずはカビが生えた種や土を取り除き
周辺も含めてベンレートなどの殺菌剤を散布しましょう。
カビた種は発芽率が下がりますが
ベンレート溶液に浸して別の土に移すと、発芽することもあります!
まとめ
センナ・メリディオナリスの実生は、好光性種子であることやカビ対策の徹底など
ポイントを押さえれば初心者でも十分に挑戦できる植物です!
種まき前の消毒やベンレート+メネデール溶液に浸すこと、
発芽後の腰水管理、適度な温度・光加減に気をつけてみましょう!
成長の過程を楽しみながら大切に育ててみてください。
ぜひこの記事を参考に、センナ・メリディオナリスの実生に挑戦してみてください!
センナ・メリディオナリスの基本的な育て方を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。